goodschooldays’s blog

発達障害があるために学校や日常生活で困っている子ども達を応援するための親の会です。 らっこの会 (東村山 困っている子ども達を応援する親の会)

JDD年次大会講座 「発達障害と裁判員裁判〜魔女裁判にしないためにしなければならないこと」

2009年12月にJDD(日本発達障害ネットワーク)第5回年次大会が東京の成蹊大学で行われました。一日中、校内7カ所の会場で数多くの講演・討論が行われ、その中に「発達障害裁判員裁判魔女裁判にしないためにしなければならないこと」という、弁護士の辻川 圭乃氏による講演がありました。

講演の中で、空気がよみにくい、場がよみにくい発達障害の人達は、大事な場面でどんな行動をとったら良いのか分からず、きょろきょろと落ち着きのない態度をとってしまい、発達障害を知らない相手には悪印象を与えてしまい、結果的に刑が重くなる実態があるという報告がありました。また、捕まってパニックを起こして暴れたりすることで罪が重くなり、裁判員裁判の対象になる場合があるそうです。

発達障害のある人が被告人となった場合の裁判員裁判の課題として、障害理解の困難さや供述内容の信用性の判断の困難さがあり、魔女裁判にしないためにしなければならないことが3点挙げられていました。

1)司法アクセス権の保障(素人には瞬時に理解できませんが、障害をよく理解している補助者の立会が許されていることなどを指します)
2)弁護人の理解(特性に配慮した弁護が必要)
3)裁判員の理解

3)の裁判員の理解を促すためにP&A(Promotion & Advocacy)を行っているそうで、これは、理解促進と支援活動ということで、たとえば、「コンビニプロジェクト」といってコンビニ店員向けのパンフレット配布や、「ぽっぽやプロジェクト」といって駅員さん向けパンフレット配布を行っているとのことでした。例えば、痴漢行為に見えた行動が、実はキラキラしたアクセサリーに興味を持っただけという場合もあるのですが、この行動をとった発達障害者が警察に突き出されると、現行犯逮捕されてしまうのだそうです。

講演を拝聴しながら、なるほど、ありそうな話、ありそうな成り行きと頷きつつ、こういう活動をされている弁護士さん達がいらっしゃることを知って、心強く感じると同時に、社会の中で発達障害者がぶつかる壁はこんなところにもあるのかと暗い気持ちになったのも事実でした。


1年前の講演会の内容ですが、親の会のメンバーと共有したい情報が詰まっていましたので、今敢えて掲載してみました。