goodschooldays’s blog

発達障害があるために学校や日常生活で困っている子ども達を応援するための親の会です。 らっこの会 (東村山 困っている子ども達を応援する親の会)

1年ぶりの阿部先生のお話は進化していた

KASA(小平自閉症を考える会)主催の講演会に参加しました。

発達が気になる子のサポート入門
−クラスでできる具体的支援−

講師 阿部利彦先生



昨年のらっこの会主催講演会でお話をしてくださった阿部先生のご講演でした。


まず、「子どもを師とする」というメッセージでスタート。
深い言葉です。なかなか言えないです。


「子どもを師とする」


阿部先生のご講演を拝聴するのは4回目ですが、毎回、聞き入ってしまいます。そして笑えて、元気になれて、ほっと出来る。保護者の中に阿部先生ファンが多いのが頷けます。



子どもの笑顔探しをしよう。子どもが生き生きしている時、笑顔の時、これを見過ごさず、その子の好きなもの、好きなことを支援に生かす工夫をする。

子どもを褒めるときは「行動」を褒める。また、褒める「場所」に注意する。兄弟姉妹がいる前で、「苦手だったことが出来たね」と褒めたとき、兄弟姉妹に「あたしの方が上手にできる」というようなことを言われてしまったらどうだろう。クラスで褒められても、「そんなのみんなとっくに出来てる」なんて言われたら、嬉しさ半減。だから褒める場所も配慮して選んであげること。

声掛けの目的は、脅すことではない、励ますこと。

指示した後で、その子の「行動を見て」、指示が分かっているかどうか確認する。「わかった?」と聞かれて、わかっていなくても「わかった」と答える癖がつくと、就労の時に困る。

その子の課題・特性を支援に生かす。どうしても動きたくなってしまいがちな子には、物を取りに行ってもらうなど、動ける役割を与えてあげる。

ふわっと言葉を貯めよう。周りの人にふわっと言葉をあげよう。学校で、地域で。

発達障害のある子には、待つ時間の支援が必要。いつまで頑張ればいいのか、見通しや目安を与える。

自分の気持ちを表現しにくい子には選択させる。「今の気持ちはこの中のどれ?」「今はどこに行きたい?」などの質問に答えをいくつか用意しておいて選ばせる。

「レジャースキル」の多い子は就労した後に頑張りがきく。楽しみにしていることがあると頑張れる。

辛くても、「見守られている感」を強く持っている人は「立ち直り力」も強い。本人に応援団がいることを理解させるよう、話して聞かせたりする努力をする。

究極のソーシャルスキルは「援助を求める力」。就労した後、理解できない、どうしていいか分からない時に素直に「困っている」「助けてほしい」と言えることが重要。わからないまま間違ったことをして叱られることを避けられる。



短い時間の中にみっちりいろいろな知恵が盛り込まれていました。上記はその中から印象に残ったお話を抜粋しています。初めて先生のお話を聞かれる方々はメモする手がとまらなかったでしょう、きっと。

また、全国の親の会会員の中には阿部先生のファンが多いことと思いますが、そういうファン=お母さんたちの本音リサーチも恐らくきっちりしていらっしゃるであろう阿部先生ならではのコメント「お父さん長男説」など、お母さんたちの共感を呼ぶ視点が盛り込まれているところもすごいです。

発達障害のある子ども達の感覚を体験してみようコーナーで、怒り出したり、暗黙の了解を無視して回答を言ってしまう先生の話も面白かったです。やっぱりいらしゃるんですね。変なところで本気出してしまう先生が。そういう先生方にとって、阿部先生のお話は目からウロコではないでしょうか。



というわけで、散漫ではありますが、阿部先生ご講演会の報告と感想でした。

今日も元気になるお話を聞かせてくださった阿部先生、そして、受付でらっこの会の講演会チラシを配布してくださいましたKASAの皆様、どうもありがとうございました。KASAのマンスリー・レポート、それから東日本大震災の実態調査報告書、素晴らしいですね。以前頂いたバックナンバーも大事に保管してあります。今後、益々の会のご発展をお祈りしております。