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発達障害があるために学校や日常生活で困っている子ども達を応援するための親の会です。 らっこの会 (東村山 困っている子ども達を応援する親の会)

所沢市特別支援教育 公開シンポジウム

平成23年1月29日(土)、所沢市立教育センターにて行われた所沢市特別支援教育 公開シンポジウムの報告です。


基調講演

発達障害のある子どもの社会的自立へ向けた継続的な支援」
−高等教育段階の取組に学ぶー

立教大学 現代心理学教授 大石幸二先生


発達障害をもつ大学生への支援についてお話を伺う中で、元慶応義塾大学教授の富安芳和先生によって1989年に初めて日本で紹介されたという、カナダの、教員と学生向けの手引書のお話が参考になりました。

まず「教員に出来ること」として

最初の授業が始まる前に配慮の必要な学生は話しにくること。学校はそれを周知すること。大学で彼らが利用できるリソースについて周知すること。教員はそれを知っておくこと。教員は定期的にその学生と会うこと。授業内容、必要なことなどを学生に情報提供すること。板書、宿題の内容を分かりやすく伝えること。カウンセリングマインドを持つこと。周りの学生にその学生とかかわることを勧めること。自分に出来ないことがあれば、他の窓口を紹介すること。などと書かれているそうです。

そして「学生に出来ること」として

学期前、教員と相談をすること。自分の障害について教員に話すこと。何が問題になる可能性があり、対処はどうしたら良いかを教員に相談すること。パニックになるまで待ったり耐えたりするのはやめること。教員と話す前に話す内容を整理しておくこと。過去(小中高校で)自分にとって役立った事柄を整理して伝えること。「助けが必要なときは自分から言います」と言って、過剰援助についてはきっぱり断ること。アポをとること。相談を他人に代行させないこと。というようなことが書かれているそうです。

「こういうことは、小学校や中学校、高校でも出来ないでしょうか?」
という大石先生の問いかけがありました。
そして、「計画的な支援が計画的にFade outする、それが自立支援になるのではないか?」と。



基調講演に続いて、シンポジストの先生方のお話がありました。その中で、東京都立小児総合医療センターの市川宏伸先生から以下のようなお話がありました。



精神福祉障害手帳がもうすぐ発達障害でとれるようになる。

発達障害者の年金受給について検討が始まる。

厚労省児童発達支援センターの設置を考えている。

「適宜発見、適宜治療」=気づいたら即治療ではなく、気づきへの対応(相談)を優先するという考え方が最近出てきた。



参加者は恐らく学齢期のお子さんを持つ保護者世代と思われる女性(お母さん達?)が多く、130名ほどの参加者とのことで、会場となったセミナーホールはほぼ満席でした。