goodschooldays’s blog

発達障害があるために学校や日常生活で困っている子ども達を応援するための親の会です。 らっこの会 (東村山 困っている子ども達を応援する親の会)

寺山千代子先生の講義 2011年2月6日

寺山千代子先生(日本自閉症スペクトラム学会事務局長)による星槎大学の「自閉症児・者への支援」という講義の報告です。

日本の自閉症の歴史から始まり、自閉症に関する用語解説、自閉症児の教育の場について、自閉症児の教育の拡がり、(学生ボランティア)通常学級の子ども達への支援の必要性、発達障害特別支援教育など幅広いテーマについての講義でした。

自閉症に関する用語について、自閉症はWHO(世界保健機構)のICD-10では小児自閉症と呼ばれ、米国精神医学会のDSM-IV-TRでは自閉症障害と呼ばれ、教育の分野では、自閉的傾向、自閉児、自閉症自閉症スペクトラム発達障害というふうに呼ばれているけれども、結局、同じことを指しているのだという解説がありました。

自閉症の原因については、当初は親の育て方が悪いとする説が有力であったために当事者のご家族が大変苦労された経緯があったそうですが、現在は脳機能の障害と言われ研究も進められており、最も良い療育方法は構造化(わかりやすい環境をつくる)と早期教育と言われているそうです。

2007年の特別支援教育の始まりは教育史上大きな改革で、これは改革せざるを得ない現状があったためで、その時に「知的な遅れのない発達障害を支援対象に含める」ことが明確にされました。特別支援教育の理念は共生社会の形成の基礎となる考え方であるとの解説がありました。

最後に国が就労支援に力を入れ始めたものの、社会情勢を背景に厳しい状況であるというお話がありました。

また、実際の事例(3家族の日常をご家族のご了承を得た上で映像編集したものでした)を拝見して、自閉症児の障害の出方や重さに関係なく、その人がよりよく生きるために「適切な支援方法を選択する能力を親や教師が持つこと」という先生の言葉が強く印象に残りました。

「教育現場では支援方法が合わない子に対する工夫が今後必要になってくる」というお話もありましたが、これは教育現場に限らず、家庭生活でも地域での日常生活でも言えることで、工夫するためには、その人達のことをよりよく「知る」ことが大切だと改めて思いました。講義のあと資格試験があり、この日の講義は終了となりました。

らっこの会のメンバーの試験結果はどうだったでしょうか?

合格していると良いのですが。