goodschooldays’s blog

発達障害があるために学校や日常生活で困っている子ども達を応援するための親の会です。 らっこの会 (東村山 困っている子ども達を応援する親の会)

悲しい事故を 「悲しいまま終わらせない」   どうする?大人達?

市内小学校で、授業中に発達障害児がけがをしました。



書くことがとても苦手な児童です。


振り返らないと黒板が見えない席で、苦手な「板書をうつすこと」に挑戦していましたが、その量をこなすことが出来ず、イライラもやもや。

そのイライラが、近くにいるクラスメートへの悪口を誘発してしまいました。

今度は周りのクラスメートがその悪口にイライラを募らせて、悪口を言った児童が怪我を負うような展開になってしまいました。

背中から血を流しながらこの児童は教室を出て、校内の人目につきにくいところで泣きながら自分を責めていたそうです。




この児童の保護者は、この児童が書くことに問題を抱えていること、専科の授業では特に落ち着きをなくし教室から出てしまう危険があることなどを以前から学校側に伝えていました。

この事故の背景には、不幸にして、個別指導計画や支援シートに記載され引き継がれ配慮されるべき事柄が、担当教員に伝わっていなかったことが考えられます。

仮に伝わっていたとして、この障害児に対する適切な配慮が十分であったかどうか。



今回の事例とは別に、通常級に在籍する発達障害児への配慮を学校に求めた場合、「児童はお宅のお子さんだけではありませんから」「特定の児童を特別扱いできません」、今でも一部の先生方がおっしゃるセリフです。

先生方が余裕のない環境でお仕事せざるを得ない状況下で、通常級での特別支援教育を推進すること自体が難しい現実もありますが、ちょっと視点をずらして「困る子」は「困っている子」と捉えるとか、少しだけルールを緩めるとか、そういう配慮で救われる子ども達は少なくないのではないかと感じます。グレーゾーンの児童を含めれば40人のクラスに5人位、配慮の必要な児童がいると言われている時代です。

肢体にハンディキャップがある児童に「全力で走れ」という先生はさすがにいらっしゃいませんが、「書字が苦手」な児童に「さっさと書け」という先生方は確実にいらっしゃると思います。「見えない障害」のキツイところです。



もちろん、今回の事例では、児童の側の課題として、児童本人のストレス耐性が低いので、イライラやもやもやを適切に処理できるようになることが必要です。いろいろな方法が考えられると思いますが、手元にカードを持たせて、辛い時はカードを黙って先生に提示し、10分の退室後、気持ちが落ち着いたら教室に戻ることを習慣づけるとか、周りに迷惑をかける前にSOSを出す習慣をつけることが必要です。ただ、それは先生方や周りのクラスメートの理解や助けがあって初めて出来ることです。



フィンランド式 キッズスキル」Ben Furman著(ダイヤモンド社)という本があります。子ども達の問題解決の方法を書いたものですが、それは、子どもが直面している問題を子どもと一緒に明確にし、必要なスキルを考え、そのスキルを獲得するために、周りの大人や友達がみんなで応援し合い、スキルが獲得できるとみんなでお祝いしてあげる、そんな温かいシンプルな問題解決方法です。

こんな方法を実践できないでしょうか。阿部先生の「応援計画」とも共通するところがたくさんあります。みんなで応援し合う関係をつくれないものでしょうか。「苦手」があるのは発達障害のある子ども達だけではありません。みんな、だれでも克服したい、良くしたい「苦手」を持っているのではないでしょうか。




怪我をした児童が、自分の体に傷を負った上に、そのことで周りの大人も子どもも動揺している状況にさらに心が傷つき、とても気持ちが不安定になっているようです。窓から身を乗り出したり、自分を傷つけたり、このままでいいはずがありません。



私達は何をしたら良いのでしょうか?


頭も痛いし、心も痛いし、


でも前に進まないといけません。


市内の発達障害児を取り巻く環境は決して楽観できるものではありませんが、今回の事故に関しては、該当小学校の先生方だけでなく、市長をはじめ教育委員会の皆さんも重く受け止め、対応にご尽力くださっています。

また、多くの保護者の皆さんが発達障害児に対して積極的に理解する姿勢を示し、応援してくださっています。

そのことが、当事者親子や私達関係者にとって大きな励ましになっています。
心より感謝申し上げます。ありがとうございます。

今後とも是非応援してください。それが何よりの励ましになります。