goodschooldays’s blog

発達障害があるために学校や日常生活で困っている子ども達を応援するための親の会です。 らっこの会 (東村山 困っている子ども達を応援する親の会)

学びのユニバーサルデザイン

6月19日、田口教育研究所主催の金子晴恵さん(アンダンテ西荻教育研究所)による学習会に参加してきました。

新たな視点「学びのユニバーサルデザイン(UDL)」で授業を変えてみよう

実践編 〜UDLで「みんなが学べる」授業に〜

100名前後の参加者の8、9割が学校の先生や支援関係者の皆さんで、保護者は1割程度という、これまでの学習会では経験したことのない参加者構成。

それだけでなく、「休日に自腹で」という先生方が多かった印象で、熱意のある先生方がこんなにいらっしゃるんだ!と嬉しくなってしまいました。



まず、「障害は人ではなく環境にある」ということを確認。


そして、ユニバーサルデザインとは?

    出来るだけ多くの人が利用可能なようにデザインすること

    それは、平均や多数派に合わせることとは違う


では「学びのユニバーサルデザイン」(UDL=Universal Design for Learning)とは?

    http://harue.no-blog.jp/udlcast/

    楽をするためのものなのではなく、チャレンジと目標を損なわないもの

    つまり、自ら学ぶ方略を見つけ、使えるようになる

    「答へのアクセス」ではなく「学びへのアクセス」を可能にするもの


金子さんから課題が出され、みんなでやってみました。
文章を書き写す作業ですが、まず日本語で書かれた文章を決められた時間内に書き写す作業をしてみてから、韓国語で書かれた文章を同じように書き写します。が、韓国語の方は同程度の分量の文章なのに、多くの参加者が時間内では終わらせられませんでした。なぜなら、意味がとれないために形で覚えて書き写すしかないため、時間が余計にかかるからです。書くのが難しい子どもにもいろいろなタイプがあるそうですが、韓国語での書き写しをしてみると、その子達の気持ちが想像しやすくなりました。


学びのユニバーサルデザインを取り入れるということは、「うまくいかないなぁ」と思ったときに、あきらめなくてすむ環境を作るということかもしれません。


聞くことが苦手、見ることが苦手、読むことが苦手、集中することが苦手、興味を持続することが苦手、多かれ少なかれ、みんな様々な苦手がありますが、教育の場で、多様な学びへのアクセスが提供されるようになれば、それはバリアフリーであり、その人にとって障害と思えたものが障害でなくなったり、超えられない壁のように感じていたものが、超えられるようになったりするのだと思いました。


従来のChalk&Talk(黒板と喋りだけで構成する形式)の授業では、壁を乗り越えられずに挫折感を味わったまま、自信をなくしたままの子ども達が出てしまったり、学習のめあてを理解している生徒の割合が低いままになってしまったりということが起こる実例を写真を使って見せて頂きました。


「先生が明日からできること」という金子さんのブログを以前から、らっこの会ではリンク集の中でご紹介させていただいています。発達障害を勉強し始めた頃、ちょうど3年ほど前にたまたま巡り会って、自分を励ますために読んでいたブログですが、現役の先生方や保護者のみなさんの参考になることが盛りだくさんです。


初めてお目にかかった金子さんは、笑顔が向日葵のような素敵な方でした。これからも、先生方や子ども達にも笑顔が広がるよう、益々のご活躍を蔭ながら応援したいと思います。