goodschooldays’s blog

発達障害があるために学校や日常生活で困っている子ども達を応援するための親の会です。 らっこの会 (東村山 困っている子ども達を応援する親の会)

ペアレント・トレーニングも夏休み

らっこの会のメンバー3人が、某大学の心理研究室でのペアレント・トレーニングに参加させていただいていますが、5月から始まり、月2回のペースで、夏休み前までに6回のセッションが終わりました。8月は夏休み。残すところ、9月2回、10月2回の計4回です。

アレント・トレーニングというのは、むずかしい子育てに挑戦しているお母さん、お父さんを助けるものとしてつくられたプログラムです。

6回のセッションで、シンプルでありながら実行が難しく、しかし非常に効果的な親子の関わり合いの方法を学んできたものの、夏休み中、子どもと顔を合わせる時間が長くなると、だんだん子どもの欠点が目につくようになり、ふと気が付くと叱ってばかり。


親子で良くない行動の負のスパイラルに入り込みそうになり、その度にセッションで学んだことを思い出し、いくつかのキーワードを念仏のように唱えてみる。そうすることで、親としての自分の行動を見直し、軌道修正することがある程度出来たように思います。


この夏、私が唱えた念仏キーワードは…


CCQ!
25%!
行動をほめる!
良い行動には注目を、悪い行動には無視を!



CCQというのは、Calm=穏やかに、Close=近づいて、Quiet=静かに 話しかけること。

大声での指示や注意を彼らは叱責と受け取ることが多いようです。

「CCQって、そんなことなの?」と思われた方は、指示が通りにくいお子さんに試してみることをお勧めします。我が子も大声での指示はやめてくれとはっきり言います。こちらがついつい大声を出すと、静かに言ってくれたらやると言うので、試しに静かに落ちついて声を掛け直すと、指示に従うことが少なくありません。

ただ、忙しい家事やら仕事や用事から帰ってばたばたした中での声掛けとなると、子どもの傍まで寄って言って穏やかな声で、一回でだめなら根気強く辛抱強く何度か同じ調子で声を掛けるということさえ難しかったりします。でも、それを意識してやってみる価値は大です。

25%というのも、実に難しいです。こちらが期待したことの25%出来ていたらそこをほめる!という意味ですが、ご指導くださっている先生が挙げてくださった例として、「着替えをしましょう」という指示を出してその場を去り、後から見に行ってみると、指示された子どもは靴下を片方だけはいて、裸で遊んでいる。この状況で、出来ていないことを叱るのではなく、靴下をはいたということに焦点を当ててほめるのです。これは、意識していないと出来ることではありません。たいていの親はそこで、怒りますよね?

また、ほめるときのポイントは、「あなたは立派」ではなくて「あなたのしたことはとても立派」というように、「行動」をほめることが大事。それが、ほめられる行動を増やしてゆくことにつながるというのは、実行してみると、確かにその通り。

良い行動には注目を。それは、ほめてプラスの注目を与えるということ。悪い行動は無視します。つまり、叱ったり、愚痴ったりは、子どもに負の注目を与えていることになるわけで、悪い行動で人の注目をひくことは出来ないということを認識させます。

私にはこの最後の点が非常に参考になりました。
自分はこれまで子どもにどれだけ負の注目を与えてきたか改めて気づかされ、正直蒼くなりました。親である自分が子どもの良くない行動を引き出していたことを認めざるを得ませんでした。大いに反省。くどくど叱ることもあまり意味がなかったうえに、自分のもやもややいらいらという感情を吐露しているだけになっていたかも、と今更ながら気が付く有様。頭では分かっていたつもりでも、実際の行動は、とてもほめられたものじゃないと。



最初のセッションで、プログラムによって期待できることを伺いました。

○ 子どもとうまく関われるようになり親としてのストレスが減ること
○ 肯定的で一貫した家族内のやりとりがうまれること
○ 子どもの行動に現実的な期待をもてるようになること
○ 子どもの行動に対して適切な対応をする力が向上すること
○ 子どもが自分の行動をコントロールする力を育てるのをあなたが援助すること

最初は漠然とした理解だったものが、実践をすることで体感できました。
特に現実的な期待を持てる、適切な対応力が上がる、子どもの抑制力アップを援助できるようになるという点で効果が上がっていることを実感します。

先生がご覧になったら、まだまだ詰めが甘い日常かもしれませんが、学ぶ前と後では大きな違い。このようなプログラムがもっと広く行われ、育てにくいお子さんとの関係に行き詰っているお母さん、お父さんが気軽に学べる場所が増えると良いと強く思いました。

今回参加させていただいているセッションも来年度開催されるかどうか、まだ定かではないようです。そのため大学名は伏せさせていただきました。


毎回、宿題が出ますが、夏休み中も宿題がありました。この宿題を持って、また9月のセッションに参加するのが楽しみです。参加しているどのお母さんも似ているようでみんな違う悩みを抱え、それぞれ頑張っていたり、気づきがあって、それをみんなに発表したり、それを聞いた別のお母さんに新しい気づきがあったり、毎回、脳みそや心の洗濯が出来るような感覚があります。


残念ながらペアレント・トレーニングを受けられる場は多くはありませんが、参考書籍はありますので、あまり馴染みのない方にはそれをご覧になることをお勧めします。ただ、個人単独での実践は実は意外と難しいことを実感されることと思います。ですから、今回私達が参加したようなプログラムに助成金が出たり、予算がついたりして、もっと多くのお母さん、お父さん達が参加できるようになると良いなぁと思う夏の終わりでした。