goodschooldays’s blog

発達障害があるために学校や日常生活で困っている子ども達を応援するための親の会です。 らっこの会 (東村山 困っている子ども達を応援する親の会)

きょうだい児から見た発達障害

先日の「福祉のつどい」で掲示した、きょうだい児の作文をご紹介します。



きょうだい児から見た発達障害 〜 色々あるけど、まぁ、いいか by 妹 〜

私は双子で、15分先に生まれた兄がADHD(現在の診断名:自閉症スペクトラム)です。発達障害のことについて知ったのは、小学校高学年のころだったと思います。それまでは、「不器用で、わがままで、話が通じない」だけで、障害とは思わずにいました。
でも、母親に教えてもらったり、兄と似たような人たちに会ったりして、兄の障がいは「個性」と同じようなものなんだと分かりました。得意・不得意が人によって違うのと同じようなものなんだと分かりました。
兄は静かにそろばんを習うことが苦手だったので、そろばん塾に行ってもいないのに、そろばん1級の私より暗算が早いです。でもやっぱり兄の行動にウンザリする時の方が多いです。
兄が兄なりに頑張ってくれるなら応援したいと心の底では思っているのですが…。学校でも、そんな理由から兄をからかう人がいるのかもしれません。

学校で「ガイジ」という言葉を男子が使っているのを聞いたことがあります。これは「障害児」→「ショウガイジ」→「ガイジ」と変化した言葉です。使っている人たちはふざけているだけで、おそらく障害についてほとんど知らないのでしょう。そんな差別や偏見をなくすためにも、学校で発達障害などについて正しいことを教えてほしいのに、あまり機会がないと思います。

なぜ、学校は教えてくれないのでしょうか?教えるのが難しいのでしょうか?正しいことを生徒に教えるのが先生の仕事ではないでしょうか?
母は「外見から分かりにくい障害は、周囲から理解されにくい。発達障害を理解している先生も少ない」と言います。
そんな社会に負けず、懸命に生きる障がい者(児)とその家族はとてもすごいと思います。

兄の残念なところ
●すぐに「人のせい」か「自分のせい」にする
●大事な事や、都合の悪いことはすぐ忘れる
●ものごとをすぐ決めつける
●こちらの話を聞いてくれない
●自分の話はしつこくする
●私が読んでいる本を奪い取り、やっているゲームを覗く
●食わず嫌い王

兄の良いところ
● やさしい
●リズム感が良い
●ニコニコしている
●ゲームが上手
● 私が描くイラストを見せると、喜んでくれる
●数学が得意



〜 きょうだい児への支援 by双子の母 〜


障がい児の兄弟姉妹のことを「きょうだい児」といいます。(障がい児のことを「本児」とも)
良い子を演じていたり、甘えることをあきらめてしまったり、きょうだい児は手がかからないと感じることもあるようです。正直、私も兄のことで一杯一杯な母親でした。
妹の爪噛みがいまだに治らないのは、ストレスを抱えた成育環境にも一因が?? 難しい思春期を迎え、兄妹双方の様子を注意深く、かつさりげなく見ていかなくてはならないと感じています。

妹には、小学3年くらいから、発達障害に関する話を伝えてきました。それと同時に兄自身も「自分を知る」必要があります。
告知タイミングは個人で違うと思いますが、主治医に「きょうだい児」への対応も含めた相談をするといいと思います。

妹には「現在も将来も自分の人生を第一優先に考えて。でもできる範囲でいいから、お兄ちゃんを助けてあげてくれると嬉しい。」と伝えています。
そして、親の介護や兄の世話については、外部支援について具体的に教えていくことが重要です。
最近は同じ境遇の「きょうだい児」の方々がサークルで悩みを共有し、不安解消をする「ピアサポート」が盛んになってきているようです。